島根県芸術文化センター「グラントワ」建築の魅力を探る 島根県/日本

島根県益田市にある「グラントワ(島根県芸術文化センター)」は、建築好きなら一度は訪れたい美しい建物です。
設計を手掛けたのは、日本を代表する建築家・内藤廣。地域の自然と調和したデザイン、独特の素材、そして訪れる人々を包み込むような空間構成が特徴です。本記事では、グラントワの建築的魅力を建築初心者から専門家まで楽しめる視点で紹介します。
1. 「グラントワ」とは?
グラントワは、美術館と劇場が融合した文化施設で、2005年に開館しました。建物の名称は「Grand Toit(大きな屋根)」に由来し、その名の通り、建物全体を包み込む大きな屋根が象徴的です。この屋根は、地域の伝統的な石州瓦(せきしゅうがわら)で覆われ、風景と調和するデザインになっています。


2. 建築の見どころ
① 地域の素材を活かしたデザイン
グラントワ最大の特徴は、外壁と屋根に使われた「石州瓦」。この瓦は、島根県西部で作られる赤褐色の焼き物で、耐久性が高く、雨に濡れると艶やかに光る性質があります。建物全体がこの瓦で覆われることで、周囲の山々や町並みと一体化した景観を生み出しています。

瓦は本来屋根に使われる建材。グラントワは外壁にも瓦を利用して、建物の一体感を表現しているよ。

瓦は屋根に使うもの!っていう固定観念を無くした建物だね。


② 「大きな屋根」が生み出す心地よさ
グラントワの屋根は、ただの装飾ではなく、建築的に大きな意味を持っています。この大屋根の下には半屋外の空間が広がり、雨の日でも快適に過ごせる設計になっています。また、光の入り方や風の流れが考慮されており、訪れる人に優しい空間となっています。

③ 迷路のような回廊と光の演出
建物の内部には、回廊のような廊下や階段が複雑に配置されており、歩くたびに新しい景色が広がります。特に、自然光を活かしたライティングが印象的で、時間帯や季節によって異なる表情を見せてくれます。

3. 建築初心者も楽しめるポイント
「建築の専門知識がなくても楽しめるの?」と思う方もいるかもしれませんが、グラントワは視覚的にも体験的にも楽しめる建築です。
- 写真映えスポットが多い:瓦の外壁は、光の角度によって異なる表情を見せるため、どの時間に訪れても美しい写真が撮れます。
- 歩くだけで楽しい:回廊や中庭を巡るだけで、建築の工夫を体感できます。
- アートとの融合:美術館の展示や劇場の公演を楽しみながら、建築との相乗効果を感じることができます。
- 建築のスケール感を味わえる:大きな屋根の下を歩くことで、建物のダイナミックなスケール感を体験できます。
- 光と影の変化を楽しめる:建物内部の回廊や中庭では、時間帯によって光の入り方が変わるため、訪れるたびに異なる雰囲気を楽しめます。



5. グラントワに行ってみよう!
グラントワは、建築好きなら絶対に訪れる価値のある場所です。美術館や劇場のイベントと合わせて訪れるのもおすすめ。また、石州瓦の赤褐色が特に美しく映える「雨の日」や「夕暮れ時」も狙い目です。
建築の奥深さを体感しに、ぜひグラントワへ足を運んでみてください!

- 所在地: 〒698-0022 島根県益田市有明町5番15号
- 開館時間: 9:00~22:00
- 休館日: 毎月第2火曜日および第4火曜日、年末年始 (火曜日が祝日の場合は、その翌日以降の最初の休日でない日が休館日)
- アクセス: JR益田駅から約1km(→バス:約5分、徒歩:約15分)※車がお勧めです
- 設計者: 内藤廣建築設計事務所

※実際に訪れる際は公式HPから開館情報等を入手することをお勧めします。