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ドイツに行くなら外せない!世界遺産バウハウス・デッサウを完全解説!

vaparka

皆さんは、「バウハウス」をご存じですか?建築を勉強していると数多くの教科書に出てくるので、嫌でも頭に刻まれるのですが…

約100年に完成した建物ですが、現代建築・デザインのほぼすべてに影響を与えています!(大げさだけど、それくらい偉大な建物なのです。)

「ドイツ旅行でどこに行こうか迷っている…」

「バウハウスって聞いたことあるけど詳しくは知らない…」

「学校で聞いたけど、寝ていて覚えていない…」

そんなあなた!歴史から見どころまで、わかりやすく解説します!ぜひ最後までお付き合いください!

バウハウス・デッサウ(2月雪が降っていた。気温は-2℃。寒い。)

この記事を読めば、これがわかる!

  • バウハウスって何?
  • 建築を学んだ人でも、学んでいない人でもバウハウスへ行くべき理由!
  • バウハウスを100倍楽しめる。行く前に知っておいてほしいこと!

1.バウハウスってなに?

バウハウスとは、1919年にドイツのワイマールで設立されたデザインと建築の学校です。創設者は建築家のヴァルター・グロピウス。1933年にナチスにより閉鎖されるまで、たった14年間しか存在しなかった学校ですが、閉鎖後、教師や学生たちが全世界に散らばり思想を広げ、現代のデザインや建築にとても大きな影響を与えています。

1840年以降ドイツで産業革命が起こってから、大量生産を前提とした「質の悪い工業製品」が横行していました。これを「デザイン」の力で良い方向にもっていくというコンセプトのもと、「工業」と「デザイン」を融合させ、「シンプルで機能的。かつ美しいデザイン」を追求した学校です。

NACHI
NACHI

つまり、現代の建築や家具・携帯からPCまで、「シンプルデザインの原点」なんだね。

すごい興味が沸いてきた…!

UCHI
UCHI

そう!IKEAやApple製品のシンプルな美しさも、このバウハウスでの教育の影響を受けているんだ。

約100年前に、現代で通用するデザイン哲学を完成させたって、本当にすごい事だよね。

バウハウス内にあるSHOPに並ぶ、シンプルなデザイン。

2.バウハウスはどこにあるの?

バウハウスは存在した14年間で、ドイツの3都市(ワイマール・デッサウ・ベルリン)に順番で移転をしています。今回紹介するのは「デッサウ」にあるバウハウスです!

ベルリン中央駅(Berlin Central Station)からデッサウ駅(Dessau)まで電車で約1時間40分。電車のチケットはRE(快速電車)もICE(新幹線)も当日駅で買えます!ICE使うなら事前予約しておいたほうが安心です。

ベルリンから日帰りで十分楽しめるので、ぜひ足を伸ばしてみてください。

UCHI
UCHI

あとで紹介する、一緒に訪れてほしい「マイスターハウス」「バウハウスミュージアム」も徒歩圏内!

NACHI
NACHI

デッサウ駅→バウハウス校→マイスターハウス→バウハウスミュージアム→デッサウ駅の順番で徒歩移動がお勧めだよ!

マイスターハウス→バウハウスミュージアムが少し遠い(徒歩30分程度)けど、デッサウの閑静な街並みを感じながらゆっくり歩いてみてほしいな!

3.行く前に知っておきたい3つのこと!

バウハウス観光を100倍楽しむために、実際に訪れる前に知っておいてほしい[3つのこと]を紹介します!

①現代の建築や教育に莫大な影響を与えた。

バウハウスでの教育や建築は、現代に大きな影響を与えました。

特にこのカーテンウォール(ガラス張りの外壁)。今や日本の高層ビルで当たり前に使われているデザインも、ここが原点。100年前とは思えない端正なデザインが印象的です。

NACHI
NACHI

戦争で一度建物が崩壊したって、聞いたことがあるけど…

UCHI
UCHI

そう、第二次世界大戦の空襲で1度破壊されたんだ。

でも複数回の改修を経て、当時の姿を忠実に再現しているんだよ。

デッサウ・バウハウス校のガラスカーテンウォール。シンプルなデザインが美しい。
内部はほとんど電気がついていないにも関わらず、大きなガラスのおかげでかなり明るい。
100年前の換気の仕組み。チェーンを引っ張ると一気に窓が開く。現代では自動で開くものが多い。
工業化とデザインの組み合わせが美しい。

②一緒に見てほしい。マイスターハウス

デッサウ・バウハウス校の近隣にある、マイスターハウスにもぜひ訪れてください。

マイスターハウスは、グロピウスを始めとした、バウハウスの教授陣たちが住んでいた家です。こちらもモダンなデザインが印象的で、RCの四角い建築ですが、周囲はバルコニーで囲まれており、日本の庇や縁側のような心地よい半屋外空間を感じます。

ご自身の住宅を考えている方や、住宅設計者には、多くのヒントを与えてくれる空間です。

シンプルでモダンなデザインが特徴のマイスターハウス
バルコニーからアクセス。日本の縁側(半屋外空間)を感じさせる。
内部は吹き抜けを利用したデザイン。空間の広がりを感じる。

③一緒に見てほしい。バウハウスミュージアム

バウハウスミュージアムも、ぜひ訪れてほしいスポットの一つ。

様々な家具や建築図面・当時の授業で使われていた道具などが展示されています。特にデザインや建築を学んだ人は、今受けている(いた)授業との共通点が多い事に驚くはずです。

NACHI
NACHI

100年前の授業が、今のデザイン教育の基礎になっているんだね。

UCHI
UCHI

2次元の紙に空間を表現する方法とか、自分が授業で受けていた内容が多くて驚いたよ…

バウハウスに関する資料が展示されている。
バウハウス完成当時の姿がわかる資料。
2次元の紙に空間を表現するための手法が教育されていた。現代の教育にも通じている。
素材の感覚を理解するための道具。100年前の授業で実際に使用されていたもの。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。バウハウスは現代のデザイン全てに大きな影響を与えた学校です。

100年前とは思えないほどシンプルでモダンな空間を、ぜひ実際に体験して頂きたいです。デザインに興味がある方なら、多くの刺激を受けて新しいアイデアが沸いてくるはず。

実はこのバウハウス、当時の学生寮に宿泊することも可能です。もしお時間に余裕がある方は宿泊してみても面白いと思います!

ぜひ実際に足を運んでみてください!

UCHI
UCHI

デザインを学んでいない方でも、デザインに興味が沸くきっかけになるはず!建築から展示まで、全てが面白いので本当におすすめ!

NACHI
NACHI

正直、歴史って苦手だった…

でも実際に行くと、やっぱり感じ方・見え方が変わるよね。

1階にはカフェ。モダンなデザインの中でほっと一息。写真はカプチーノ。
ABOUT ME
UCHI
UCHI
一級建築士
第二種電気工事士
建築士として、多数の建築デザインを手掛ける。
三度の飯より建築が好き。
住宅からオフィス・商業店舗、新築からリノベーションまで、幅広い業務経験有り。
同じく一級建築士の妻と日々空間デザインに奮闘中。

建築コンペ受賞多数。大手設計事務所での勤務経験。現在、自身の建築士事務所を開設準備中。
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